食べられる野草を紹介するシリーズ?の第2弾です。前回いろいろ紹介したら、長くなってしまったので、続きをこちらに書いていきます。
今回はキノメ、ハルジオン、ヘビイチゴ、ヤマグワ、スイカズラ、ドクダミをご紹介したいと思います。
ちなみに前回の記事はこちらです。
※チャレンジする方は自己責任で採って食べてください。採って地主さんに怒られても、食べて運ばれても責任は負いかねます。
目次 - Contents -
キノメ
ミカン科の植物で、ハジカミなどとも呼ばれる野草です。「山椒は小粒でもぴりりと辛い」のことわざでも知られる、あれです。果実ができるのは6月から8月で、まだできてなかったので今回は葉っぱの方を頂きます。葉っぱは小さくてかわいいですが、枝にとげがあるので、採るときは注意です。
葉を採ってちょっと揉んでから匂いをかぐと、とてもいい香りがします。
キノメは料理に高級感を与えてくれます。例えばお吸い物に浮かべると、それだけでもう高級料亭っぽくなってしまいます。
他には冷奴に載せてもいいですし、お味噌に混ぜてもいいですね。今回はキノメ味噌にして、冷奴に載せて食べました。ウマイ!
実は皆さんご存知の通り、ウナギの蒲焼きとかにふりかけて食べます。
ハルジオン
キク科の植物。漢字では春紫苑と書きます。こう書くとキク科にあるシオン族なのかと思いますが、実はムカシヨモギ族でして、紫苑という別の植物に似ているからこの名前が付いたようです。私はそれよりカモミールに似ている気がしますが…。ほかに似たような野草で、ヒメジョオンというのがありますが、どちらも食べられます。時期が来るといたるところに生えてくるので、かなり簡単に見つけられます。若葉がおいしいとされますが、花が咲いていても丸ごと天ぷらにして食べられます(自分で実験済み)。ただし茎は固くなります。
花が咲いていればすぐに見つけられる野草ですが、咲いていないとちょっとわかりにくいかも…。ハルジオンは蕾が垂れ下がるのが特徴で、それでなんとなく見つけられます。
ちなみにこの野草、元々北アメリカ原産で、日本には大正時代に入ってきたそうで、ヒメジョオンとともに、侵略的外来種ワースト100に、要注意外来生物として登録されています。侵略的外来種とは、生態系への影響が大きい生物のリストで、ほかに有名どころではブラックバスなどが指定されています。というわけで、ハルジオン、ヒメジョオンを食べれば環境問題に貢献できるのです!
ハルジオンとヒメジョオンの見分け方ですが、茎を切ってみて、中が空洞ならハルジオンです。ハルジオンは「貧乏草」とも呼ばれているそうで、その由来は諸説ありますが、個人的にはこの、「茎の中が空洞だから」なんじゃないかと勝手に思ってます。
ヘビイチゴ
バラ科の植物です。なんとなくおいしそうで、これは食べられるのか?と気になる方も多いかと思います。いかにも毒がありそうな名前ですが、毒はありません。実がなっていれば、その鮮烈な赤色で、すぐに見つけられます。味は見た目とは裏腹に、ものすごく薄く、ほぼ水です。あまりおいしいとは思いませんが、一応食べられる野草でして、ジャムにする人もいるようです。ハイ、以上です。
ヤマグワ(マルベリー)
そのまんまクワ科の植物。桑の実は甘酸っぱい味がして、ヘビイチゴより断然おいしいです。明るい赤色の実の方がおいしそうに見えますが、食べるとまだ酸っぱくて硬いので、採るのは熟れてブルーベリーみたいに黒っぽくなった実です。ただ、こういう実は触ると簡単にぽろっと取れてしまうので、落っことさないように注意が必要です。
実はたくさんなりますが、一度には熟れず、少しずつ熟れてくるので、2,3日に一回採りに行った方がいいのですが、出先で見つけた場合は通えないので、1回しか取れないと思います。そこで気になるのが、赤い実を採って、しばらく置いておけば、熟れてくるのか?ということだと思います。
なので今回、まだ赤い実を採って、熟れてくるのか実験してみました。
結果、5日くらい経つと結構黒くなってきていました。というわでまだ赤くても、採ってしばらく置いとけば熟れてきます。
実の利用法ですが、私はいつも、いっぱい集めてジャムにしています。ほかにはジュースやリキュールにもできます。ただ、イチゴみたいに実に細かい粒々の種がたくさんついているので、飲み物にする場合は漉した方がいいと思います。
今回はジャムとドライフルーツにすることにしました。採った実はボウルに入れてきれいに洗い、実に付いている細い茎をプチプチとちぎっていきます。この茎は実の内側にも通っているのですが、熟れているものは茎も柔らかくなっているので、そのままで大丈夫です。
何日かかけて実を集めたいので、採った実はお皿にキッチンペーパーを敷いて、その上に載せて冷蔵庫で保存します。こうすると実に付いた水分を早く飛ばせます。
下処理さえ終わればジャムもドライフルーツも簡単です。ジャムは砂糖を加えて煮込むだけ、ドライフルーツは物干しネットに入れて天日干しにするだけです。が、干して3日目に雨が降ってしまい、ドライフルーツは再び冷蔵庫へ…。うまくできたら更新します。
ジャムはパンに塗っていただきました。
それから、桑の葉。お茶にして飲みます。糖の吸収を抑えるため、ダイエット効果が期待できるらしいです。
スイカズラ
スイカズラ科の植物でつる状にほかの植物に絡まって伸びていきます。最初、名前からして「スイカ・ズラ」とスイカを想像しましたが、漢字で書くと「吸い葛」です。葛と言っても葛湯とかの葛(クズ)ではなく、つる性の植物を葛(カズラ)と言うそうです。
名前の由来ですが、花の蜜を吸うと、甘くておいしいことからきているようです。花をちぎって、さらに採った花のお尻の方ををちょっとちぎって穴をあけて吸うと、ちょびっとですが蜜が出てきます。子供にあげると喜びますが、花に虫がついていないか確認しましょう。
大人ならお酒に漬け込んでリキュールにしても良しです。
葉っぱも花も食べられるので、まとめて天ぷらとかにできますが、葉はアクが強くて苦いので、しっかり茹でてアク抜きした方がいいです。
前回ヨモギやらユキノシタを天ぷらにしたので、今回はおひたしにしてみました。お鍋でけっこうぐつぐつ(10分くらい)煮込むと、苦みがほろ苦い感じまで軽減されますが、ゼロにはなりませんでした。お醤油とスイカズラのほろ苦さが合うような合わないような…。多分ゴーヤとか苦いのが好きな人はおいしく食べられると思います。私は、「これは漢方だ!」と思って食べました。
スイカズラは実際、漢方や浴湯料(入浴剤)としても用いられ、葉を「忍冬(にんどう)」、花は白と黄色の2色あることから、「金銀花」と言い、関節炎や痔などに効果があるそうです。今度試してみようかな…。
ところでスイカズラを原料としたお酒を「忍冬酒」といい、75歳という当時としてはかなりの長寿だった徳川家康が愛飲していたそうです。
ドクダミ
ドクダミ科ドクダミ属の多年草。やや紫色を帯びたハート形の葉をしているので、見分けはすぐにつくと思います。初夏にかけて白い花を咲かせます。十薬ともいわれる薬草でして、胃腸薬や、皮膚病の外用薬、高血圧、動脈硬化予防などに用いられます。また、花を咲かせる時期が最も効能があるそうです。が、繁殖力、生命力が強く、駆除しにくいため厄介な雑草扱いされることも多いみたいです。そんな人たちにはドクダミの素晴らしさを説いてあげたいところです。
ドクダミにはいろんな食され方があり、例えば中華料理にはドクダミの根を使った「折耳根炒腊肉」という料理もあるそうです。食べてみたいところですが、根っこを取るのは大変なので、今回は葉を使ったお茶を作ることにしました。
まず、自生しているドクダミの葉や花を適当に摘み取ります。その後、よく洗って干し網に並べ、2、3日乾燥させます。これで完成!と言いたいところですが、このままではドクダミ特有の臭いが気になり、家族に体にいいからと勧めても飲んでくれない可能性大です。そこでフライパンで焙煎します。焙煎する前に、ドクダミに外の埃がついて気になる方は軽くすすいでください。水気を払ってフライパンに入れ、弱火で加熱します。
乾燥しているので発火しないよう注意してください。お箸で混ぜながらしばらく加熱するすると、だんだんパリパリになるので、小さく砕いていきます。全体的に茶色っぽくなったら完成です。これでドクダミ特有の臭いはかなり改善されます。
今回の食べられる野草まとめ
キノメ
山椒の葉。和食に使うと香りが立って高級感が出る。山椒の実はウナギの蒲焼きなどの調味料に。トゲがあるので採るときは注意。
ハルジオン
ヒメジョオンとそっくり。茎を切って中が空洞だったらハルジオン。若芽や花を天ぷらなどにして食べる。侵略的外来種ワースト100に登録されている。
ヘビイチゴ
見た目は鮮やかな赤色でおいしそうだが、実際にはほぼ水。飢えて死にそうなら食べるかも。
ヤマグワ
実は熟れて青黒くなったものが甘みが増しておいしい。ジャムやドライフルーツなどにできる。葉はお茶などにしていただく。
スイカズラ
花の蜜が甘くておいしい。葉も食べられるが、苦みが強いので、しっかりアク抜きをした方が良い。漢方としても利用されている。
ドクダミ
ハートの形をした葉っぱが特徴的。十薬とも呼ばれ、様々な効能を持つ薬草として知られる。繁殖力、生命力が強く、駆除しにくい。